常重は、青年協力開発隊の農業実習生として学び、当時、経済成長を続けていたアルゼンチンに希望を託し移住、ブエノスアイリス郊外の農場で働いた後、洗濯業を経営しましたが、生活は苦しく15年間踏ん張ってみたものの、生活はどうしても良くなりませんでした。
妻、幸子は読谷村楚辺の出身、当時の沖縄の生活が厳しかったため、移民したと言う典型的な戦後移民でした。アルゼンチンで知り合った常重と結婚2人の子供をもうけましたが、日本とアルゼンチンの経済状況が逆転、アルゼンチンでの生活は困難を極めたため、アルゼンチンでの生活に区切りをつけて帰沖することとなりました。
ちょうどその頃、沖縄ではケンタッキーフライドチキンが人気を呼び始め、これなら行けるかもしれない!アルゼンチンで、近所にあったローストチキン屋さんと仲良くなり、作り方を習っていた事もあり、アルゼンチン風のローストチキン店を出すことにしました。
アルゼンチンでは家庭料理であるローストチキンですが、当時の沖縄ではまだなじみの薄い料理だったため、店が軌道に乗るまでは平坦な道のりではありませんでした。
アルゼンチンのローストチキンは鶏肉に塩をすり込んだシンプルな味でしたが、ウチナーンチュ好みの味になるようタレを試行錯誤し、現在の味を作り出しました。
創業5年目ごろから、口コミで評判が少しずつ伝わり、店の経営が安定してきました。
今では、一番の繁忙期であるクリスマスには朝から晩まで店にあるロースターをフル稼働。
誕生日や母の日など、パーティー行事や訪問先の手土産、晩御飯など多くの場面で地域の皆様にご利用いただき、おかげさまで2025年で創業50年を迎えます。
現在は、息子の常大が店を継ぎ変わらない味を守り続けています。
ブエノチキンが今年50周年を迎えることができるのも、ひとえにお客様のご愛顧とご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。これまでの半世紀、お客様との絆を大切にし、一人でも多くのお客様に美味しいと言ってもらえるよう精進してきました
皆様の笑顔が私たちの原動力です。引き続きブエノチキンをどうぞよろしくお願い申し上げます。